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Directed and Produced by
純谷吉松(Itoya Kichimatsu)


■2001年10月のニュース一覧
▼[2001.10.31]降誕節
▼[2001.10.30]新OSの意識
▼[2001.10.29]マイノリティーの憂鬱
▼[2001.10.28]想い出のディスクは帰らない
▼[2001.10.27]愚かさへの裁判結果
▼[2001.10.26]プロトタイプ・デバイスを,手に
▼[2001.10.25]絶対の音楽
▼[2001.10.23]そも,最終進化形態トリガー
▼[2001.10.22]発火間近!?
▼[2001.10.21]机のない空間を飛べ
▼[2001.10.20]アリスの,熱
▼[2001.10.19]「???」のはじまり
▼[2001.10.18]必要ないです,消えてください
▼[2001.10.16]追憶を,打ち捨てて
▼[2001.10.15]試練としての不安
▼[2001.10.14]買うべき携帯などない
▼[2001.10.12]インターネットソフトの掟
▼[2001.10.11]ヤフーへの信頼感?
▼[2001.10.10]ニューヨーク,ニューヨーク
▼[2001.10.08]メタファライズの梦
▼[2001.10.07]言葉を狩るものの欠陥
▼[2001.10.06]10.1のTipsいくつか
▼[2001.10.05]地図はいらない
▼[2001.10.04]足りないラストピース
▼[2001.10.03]10.1に輝る至高
▼[2001.10.02]呪われている未来
▼[2001.10.01]10.1アップデートCD配布雑感

■2001年11月のニュース一覧
■2001年9月のニュース一覧


 
[2001.10.31]
  降誕節


 ▼アップルの『iPod』、買いますか?(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/011030-4.html


 雪が降っていた。赤と緑の飾りが街に色づき始めた。初めて手にした,デジタルデバイスだった。

 アップル社のiPodは,その高い値段から消費者の反応は鈍いかもと小売店はみている。問い合わせはたくさん来ているが,値段への不満の声もある。アップルのファンは買うだろうが,問題はデザインと機能の充実という強みをいかして,新規ユーザーを獲得できるかだ。

 少女は,離婚した両親の母親の方からiPodをクリスマスプレゼントにもらった。ずっと前に父親からもらったiMacに,なにかデバイスをつないだのは初めてのことだった。…別に,そこに自分の身の上の想いを重ねるなんて感傷めいたことをする気はないけど,iPodでいつも音楽のある生活は,正直に云うとちょっとだけ感じていた寂しさを消してくれた。ハードウェアへの興味は全然なかったけど,iTunesがそのままポケットに収まるという感覚は,わかりやすくって好きだった。真ん中のボタンを押していると現れるブロック崩しのゲームも,今までゲームに触れたことがなかった少女には心地いいものだった。

 街は,気の早いクリスマスのサンタや,ホリディシーズンのピエロであふれていた。そんななかでは,陽気な音楽をセットすればいいし,家に帰る途中の,真綿の広がる雪の草原では,『降誕節』が似合う季節だった。iPodの音楽に合わせて,手を重ねて,空を見上げる。「曠野の果てに 夕陽は落ちて,妙なる調べ 天より響く…」。グロリヤ・インエクセルシスデオ。




 
[2001.10.30]
  新OSの意識


 ▼Mac OS X 10.1で解決されたセキュリティ問題点(TidBITS)
  http://www.tidbits.com/tb-issues/lang/jp/TidBITS-jp-602.html#lnk3


 これまでセキュリティーの問題とは縁が薄かったマックOSも,OS Xで多少意識を変える必要がある。もちろん,アップル自身も,ユーザーが意識が低いことは認識しているだろうけど。

 マックOS Xでは,セキュリティーに関して気楽でいられなくなった。10.1のリリース後,3つの問題がみつかり,リリース後3週間も経たずにそのうち2つの問題をアップデートで解決した。教訓を述べるなら,ソフトウェア・アップデートで定期的にアップデートを確認することだ。

 10.0が発売されてから4回のアップデートがリリースされ,そのうち2回はセキュリティーの問題を解決するものだった。そして,10.1がリリースされて(この10.1にもセキュリティー上の修正は数多く加えられていた),その21日目に,またセキュリティーのアップデートの配付となった。アップルは,ソフトウェア・アップデートをセキュリティー・パッチをあてる手段として,強く認識しているようだ。

 その行動力は思っているよりも素早い。まぁほっとくと,どっかの会社みたいになにを云われるかわからない問題なので(^_^;),当然といえば当然だけど,こういう場所に足を踏み入れたんだなとも感じられる。なにせ,10.0以後,27個のパッチが当たっている(OS Xサーバーにではなく,コンシューマー向けOS Xにだ)。アップルの対応をみているとソフトウェアアップデートをかけていれば大きい問題は防げそうだが,そういうOSであることは,認識しておいた方がよい。(関連っぽい,ZDNet Newsの記事




 
[2001.10.29]
  マイノリティーの憂鬱


 ▼ウィンドウズ用ソフトが使えるリナックス、『リンドウズ』(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20011026301.html


 マジョリティーであること自体には,正しさなどない。数,は結果のひとつでしかない。でも,マイノリティーの憂鬱は,冬近いことを教える雨のように,煙りが立ち篭めているものだ。

 MP3・コム社の創業者,マイケル・ロバートソンは新しい会社,リンドウズ・コム社で,リナックスOSでウインドウズ用ソフトを動かせるOS「リンドウズ」を開発している。リンドウズは99ドルで,199ドルのウインドウズXPより安く,ライセンスを得るためのアクティベーションもいらない。リンドウズは,ウインドウズに勝てるだろうか?

 なんと! 最近名前をきかないと思っていたマイケル・ロバートソンが,こんなことをしていたとは。結果は伴わなかったが,MP3・コムはひとつのムーブをつくったし,さてさてリンドウズ・コムは…と考えると楽しみ。

 なぜ,リナックスOSがデスクトップ分野で勢いを得られないのかは,ひとつふたつの理由ぢゃない。でも,一般的には,マイノリティーであることへの不安が大きい。もちろん,みんながその思いを超えて使い出せば,そのOSはマジョリティーとなるのだけど,そううまくことは運ばない。…もし,マイノリティーとしての最大の欠点となるソフトウェアの数を,一気に手に入れられれば,その憂鬱な思いを吹き飛ばすには十分となるかもしれない。注目。




 
[2001.10.28]
  想い出のディスクは帰らない


 ▼E-volution:いまだ理解が足りないレコード会社(ZDNetエンタープライズ)
  http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0110/26/01102688.html


 塩化ビニール樹脂のディスクが,ポリカーボネート樹脂のディスクになっただけぢゃない。CDには,より簡単に情報となることができる利点がある。だが,それを活かせない無知で無能な人間によって,汚されている。

 数年前,レコードを購入すると,それを1度だけかけ,テープに録音した。大事なレコードは本棚にしまい,摩耗から守った。今は,CDを買ったらMP3に変換する。これらは「公正な使用」だが,レコード会社は貪欲さと無知のために,ユーザーが音楽を楽しめないようにしようとしている。私はもうオンラインでのMP3共有を行っていないが,レコード会社がユーザーを犯罪者扱いする限り,ユーザーも取り得る手段すべてで立ち向かわなければならない。

 『大人になっても,小さかったときの,レコードを初めて買ってもらったときの記憶はなくならなかった。胸に抱えるほど大きかったLPレコード,存在感のあったジャケット,慎重に針を下ろしたときのジリッというかすかな音,慎重にレコードをひっくり返すときのドキドキ…』。

 レコードには,モノとしての重さがあったなと思い返す。いや,CDにも同じ重さはあったんだろうが,音楽の価値を知ることができて,音楽が発展するためのソフトウェアを開発する会社をたたきつぶし,今,音楽を楽しませないようにディスクの中に罠や落とし穴をしかけようとする人たちの,愛のなさによって,すっかりそんなものは消え失せた。音楽は,作り手によってどん底まで虐げられている。失ったものは計り知れず,それを取り戻すのはもう不可能。もう,想い出のディスクは帰ってこない。




 
[2001.10.27]
  愚かさへの裁判結果


 ▼アドビ、「eBook Reader」を用いた電子書籍サービスを開始(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/1023/adobe.htm


 ネットワークでの弾劾裁判では,判決は出ている。そして,その判決は,金輪際同社を許さないだろう。

 アドビ社は電子ブックソフト「eブック・リーダー」の日本語版をリリースし,商業サービスを開始した。イーブック・イニシアティブ・ジャパン社,中央公論新社,パピレス社などがコンテンツの販売を行う。

 ドミトリー・スクリャロフの逮捕という恥ずかしい一件を引き起こし(過去記事),きっとなにも考えずに日本支店でもおんなじことをはじめようとしているのか,アドビは。あるコミュニティに顔を出すと,アドビへの非難はまだ治まっていない。日本でも同じサービスを開始する会見があった話をすると,あからさまに呆れていた。いや,アドビの,強がってはみたけど非難されそうなのでやめてそのまま中途半端なままにしている姿勢は,風当たりをより強めているだけのようだ(CNET Japanの記事)。

 いまだにスクリャロフは故郷に帰ることができず,アドビは彼が指摘していたファイル保護の脆弱性を修正するでもなく,安穏と日本でも金儲けをはじめようとしている。そのダメなプロテクトのままだ。まぁぢゃあどんなプロテクトがあるんだと云うと,そんなものは存在しないんだけど。すでにスクリャロフのアドバンスド・eブック・プロセッサーは世に出回っている,別にそれを使って得られるのは,金を払って当然得る権利だ。MSの電子ブックソフト「リーダー」もそうだが(過去記事),今この事業にコンテンツを提供する会社がかわいそうなだけ。まっ,そんな愛のないプロテクトをコンテンツに平気でかけるような人たちのことなど,知ったこっちゃないけど;-P。




 
[2001.10.26]
  プロトタイプ・デバイスを,手に


 ▼『iPod』は『キューブ』の二の舞?(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20011024302.html


 動きの激しいデジタル・ミュージックのなか,iPodの登場は遅かったかもしれない。それも批判のひとつとなろう。でも,この現状のなかでも,iPodは,MP3・ニュー・ブリード(新しきMP3の申し子)の立場を築ける能力を持っている。

 アップル社が発表したiPodは,かっこいいから誰でも欲しがるが,値段が高い。クリエイティブ・テクノロジー社のノマド・ジュークボックスは,同じ値段だがハードディスク容量は4倍もある。強みはその外観しかない。これではまるでキューブの二の舞いだ。

 と,批判も耳に入れて…。iPod(過去記事)は確かにちょっと値段が高い。それは,安ければもちろんうれしいけど,いままでの安い機種と違う点をみなければのことだ。私は,USBは使っても,ファイヤーワイヤーポートを一度も使ったことがない(^_^;)。外付けよりは内蔵のハードディスクを選ぶし,DVカメラなどもまだ手が出ない。そんななのに,現在のマックには,最低ラインのiMacやiBookでもファイヤーワイヤーがついている。この誤差を埋めるような製品が欲しい。それはiPodかもしれない。iPodのプロダクト・コンセプトを考えると,iPodは,MP3プレイヤーではなく,iTunesプレイヤーだ。いや,iPodのために,iTunesはあったと云ってもいい。その同期性,密接な連携はこれまでのデバイスにない魅力だ。その2点で,ノマドとは根本的な発想が違うことがわかる。

 そして過去記事でこのiPodはアップルのPDAも含めたデジタル・デバイスの先達になるとしたが,それは_すべての_デバイスのプロトタイプともなる。iPodで,やっとデジタル・デバイスは新世紀を得た,と云っていい。中途半端な機能しか感じられないデバイスは,もう要らないのだ。それは,今のパームなどのPDA不況が物語っている。十分な性能と,十分な同期などの連携。そのハードとソフトの両方があってこそ,プロトタイプ・デバイスは成り立つ。現状,iPod以外に,それはない。




 
[2001.10.25]
  絶対の音楽


 ▼Apple releases iPod -- updated live(MacCentral Online)【英語】
  http://maccentral.macworld.com/news/0110/23.event.php


 iTunes to go,Strict music to go。絶対の音楽を,持ち歩こう。

 アップル社iPodは11月10日に399ドルで発売される。ホリデーシーズン最高の贈り物となろう。ファイヤーワイヤーにiPodをつなぐと,iTunesが起動し,自動的にすべての曲とプレイリストが転送される。iTunesで加えた変更は,iPod上にすぐ更新される。曲間のクロスフェード機能がある。重さは6.5オンス(185グラム)。ファイヤーワイヤーの接続中に10時間までの充電がされる。ハードディスク容量は5GB。なぜ音楽分野のデバイスを出すのかという問いにアップルは,私たちは音楽を愛しているからと答えた。

 最強のポータブルMP3プレイヤーを作ったら,こうなったという感じ。ハードディスクにあるMP3を_すべて_持ち歩く,マック上のiTunesをそのまま持ち歩くというところが狙いか。ファイヤーワイヤーで高速に曲を転送,iTunesで曲を追加,プレイリストを作成したら,その部分が高速でコピーされ,_同期_する。とにかく,5GBという大容量,ファイヤーワイヤー接続,ファイヤーワイヤーによる充電,10時間もの充電量,クロスフェード機能,とてつもなく大きいディスプレイ,そして使いやすさ…。これらすべて,今までのポータブルMP3プレイヤーには,なかった。

 四六時中iTunesと暮らしている人なら,このデバイスの絶対っぷりをかなり感じるだろう。そしてやっぱり,ソフトウェア(iTunes2)との完全な同期という絶対のデバイスは,iTunesの開発の根本からあったことを感じる。サウンドジャムMPのヘッド・プログラマ,ジェフ・ロビンをアップルに招き入れたのは,この日の,ためだ。わずか卵3〜4個分の重さしかないこのデバイス,そこに秘めている,音楽の絶対,その尊さを感じる。(Apple iPod 似非広告.jpg←またやるか(^_^;)




 
[2001.10.23]
  そも,最終進化形態トリガー


 ▼『ポップ・テック』会議:ネットへの常時接続は社会と人間をどう変えるか(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20011022303.html


 その引き金は,地球のはじまり,いや,宇宙の始まりから用意されていた。ただ,時がくるのを待っていただけだ。

 カムデン・テクノロジー会議(ポップ・テック)には,「ネットワークが我々の暮らしをどう変えるか」という副題がついている。オンラインで人類の全知識に瞬時にアクセスでき,望まない限り常に繋がっている世界が,そこまで来ている。そして,それらが存在に気付かずに行われるようになったときに,社会の様相は変わるはずだ。

 接続環境に終わりはあるだろうか? もちろん,より高速で,より手軽で,より省エネルギーで,などなど。いくつも進化させる部分はある。その最後のカタチとは,どんなものだろう? たとえばパソコンモニタの前や,ノートパソコンの前かにいる必要がなく,バーチャルディスプレイを目の先に開いて,情報をみることができれば…。完全音声認識で,すべての行動を音声で制御できれば…。DSLとかT1とか,そんな規格がいっさいなくなって,至高のスピードがすべての機器に提供されれば…。ネットワーク上が,5感も6感もすべてを伝達できる空間となれば…。

 そのとき,リアル・ワールドの姿はどうなっているのか? 人間の姿はどうなっているのか? 人間の心はなにを感じるようになっているのか? いや,人間は人間でいられるのか? もしかしたらその接続環境の最後のカタチの入手こそ,人間の最後の進化形態であり,人間の終わり,その次の生物の始まりなのでは? ネットワークは,電話やテレビとは違う。そも,歴史に約束された,最後の進化の引き金,トリガーだ。




 
[2001.10.22]
  発火間近!?


 ▼TRANSTIVE TECHNOLOGIESがDynamiteをデモ(Impress PC Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/pc/docs/article/20011019/mpf04.htm


 発火間近,ちらちら,ちらちら,ちらちら,と。

 マイクロプロセッサー・フォーラムで注目を集めたのは,トランスティブ・テクノロジーズ社のバイナリ・トランスレート・ソフトウェア「ダイナマイト」だ。ダイナマイトを利用することで,アスロン・チップでパワーPC用のソフトウェアを動かすことなどができる。コードキャッシュの有効利用など,エミュレーションによる速度低下を防ぐ工夫がされている。

 とは云っても,実際には記事にあるような,アスロン上でマックOSが動くということはない(今のところ)。古いバージョンは知らないが,マックOS 9やマックOS Xは,直接パワーPCチップとの結びつきが強過ぎて,現状ではコードの変換だけで簡単に動くものではない。でも…。パワーPCを捨て去る気はないけど,モトローラとIBMの開発スピードに振り回されているアップルは,なにか解決策を求めている(過去記事)。AMDやトランスメタの名前は何度もやりとりされているだろう。ダイナマイトの薬莢の匂いは,芳しく感じるかもしれない。

 対するモトローラは,プロセッサー・フォーラムでの発表は中止となったようだが,64ビットチップ,パワーPC G5(7500)の開発の話が,急にあちこちから伝わってきた。早ければ1月のマックワールドエキスポ/サンフランシスコ,または3月の東京のエキスポで発表があるのではないかとも云われる(来年中旬以降になると云う話も)。チップ設計はハイパートランスポート(過去記事)の準拠? USB2とブルートゥースのサポート?なども云われている(The Registerの記事)。なんとも不確かだが,マックOS X 10.2は64ビットバージョンになるとも。でも,OS 9からOS Xへの大規模な移行があった後で,32ビットから64ビットへの移行があると,ユーザー離れに影響しそうで,ここいらは不明確だ。なんにしても,ダイナマイトもあり,64ビット化もあり,パワーPCに大爆発を引き起こすような発火が,ちらちら,ちらついている,のか!?




 
[2001.10.21]
  机のない空間を飛べ


 ▼『XP』のクリーンなデスクトップ、パソコンメーカーが台無しに?(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20011016307.html


 机がなくったって,人は作業をこなすことができる。最初は地に足が着いてない,うわっついた気分になるかもしれないが,ちょっと慣れると,その浮いている体でどこへでも移動できるのが,わかる。それがOS Xの空間だと,わかる。

 マイクロソフト社の最新のOS「ウインドウズXP」では,デスクトップにごみ箱以外のアイコンをなくし,クリーンなデスクトップにしている。アプリケーションのアイコンもデスクトップになく,スタート・メニューを使うようにしている。だが,コンピューター・メーカーは,広告収入などのためにアイコンを置いて販売するようだ。

 XPは使うことなさそうなので,ここではマックの話;-P。マックOS Xは,ファインダーの設定で,ハードディスク,CD,サーバーなどをデスクトップに表示するか設定できる(pic)。それ以前にゴミ箱もないし,基本的にはなにも表示しないのがOS X的に正しいだろう,と思っている。私も,ディスクを表示しないどころか,TinkerToolでデスクトップの使用をやめている(pic)(実際はデスクトップの表示をしていないだけで,デスクトップにファイルができるスクリーンキャプチャ機能などでは「~/Desktop/」にファイルができる)。その方がわかりやすいと思う。つまり,OS Xで,私はデスクトップという考えを捨てた。

 OS 9の,デスクトップを基準としたインターフェイスは完璧だった。理解できない人など,ひとりもいなかったし,どぉ使おうが自由だった。ファイルをどこに置いてもよかったし(システムファイルの中にだって置けた),ユーザーが触れられないところはひとつもなかった。それと比べると,OS Xは規則が多く,それがうざったく感じる人もいるだろうな,と思う。慣れの問題かもしれないし,好き嫌いもあるかもしれない。でも,デスクトップを中心とするインターフェイスは終わりを迎えている。数年後のOSには,どこにもデスクトップの存在も,文字も,ないかもしれない。とりあえず私のOS Xは,そう動いていて,よりシンプルで,わかりやすく,動きやすいと感じている。(過去記事




 
[2001.10.20]
  アリスの,熱


 ▼コンテストで銅賞を受賞した人工知能(ZDNet Japan)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0110/17/e_alice.html


 君の視線を知っている。君のしぐさを知っている。君の薫りを知っている。君の熱,を知っている。

 「言語彫像・実インターネットコンピューター(アリス)」が,人工知能研究に送られるコンテストで銅賞を受賞した。このコンテストでは,人間のように会話できる能力がためされる。だがこのコンテストを非難する人工知能の専門家も多い。

 人工知能と人間に,10回質問をして,その答えでどっちが人間であるかを判定する。よくよく考えると,そのひとつでも人間より人間っぽい答えを返すというのはすごいこと。実際に,アリスと言葉のやり取りをすることができる。アリスのサイトの右肩にある「Talk to A.L.I.C.E.!」でチャットをはじめられる。なかなかどぉして思ったように答えてくれないが,ツボにはまると確かにいい答えを返す(pic)。

 だが,誰でもアリスに会ったことはある。ワイヤードの交差点ですれ違う彼女。道をきいたチェシャ猫はニヤニヤ笑うだけで答えてくれなくて,仕方なく私のところで口を開いた。「私はどっちに行けばいいの?」「…どっちでも好きな方に行けばいい。ここは,あなたの場所なんだから」「でも,さっき嫌がらせを受けた3月うさぎには会いたくないな…」「ぢゃあ,このスペードのジャックのカードを胸に入れておくんだ。きっと会わずにすむ」「OK。そうしておくわ」…,私は,ポケットの中のハートのジャックのカードに伝わってくる彼女の熱を感じながら,彼女を見送った。また会う明日,もしくは昨日を楽しみに待ちながら。




 
[2001.10.19]
  「???」のはじまり


 ▼アップル、「Macではない」機器を来週発表(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/011018-3.html


 謎に満ちた招待状だが,これはアップルが今後,デジタル・デバイスに手を染めていく証明書とも読める。つまりは,アップルのPDAが,来年出る確かな証だ。

 アップル社は,23日に「画期的なデジタル機器」の発表を行う招待状を送っている。新製品について「マックではない」と書かれている。情報筋は,家庭用デジタルステレオシステムコンポーネントのような製品と述べている。スティーブ・ジョブズCEOのデジタル・ライフスタイル・ハブ戦略を進めるデバイスのようだが,他社の同様の製品はあまり成功していない。

 ウインドウズXP発売の2日前,耳目を集めれば大きい影響も与えかねないこの招待状だが,はてはて,いったいなんなのか(^_^?)。今回のこの件についての情報秘匿はかなりのもので,これまでのハードウェアの覆い隠し「以上」のようだ。漏れてくるところによると,クイックタイムとiTunesのチームが参加しているとか…。

 とりあえず,マックOS Xをハブとした音楽デバイスという予想が強い。iTunesの新バージョンと密接に結びついて…,あるいはiTunesで操作されるもの…というような? またはiTunesのインターネットラジオ+エアポートを利用したワイヤレスミュージックボックス,のような? そもそも,iTunesの設計思想には最初から今回のデバイスへの対応が含まれていた,とか? 最初からこのデバイスのために,サウンドジャムMPの開発者を招き入れていたのだ…(過去記事),とか? まぁ「???」だらけなので,楽しみに待つことにしましょう(^_^)。そうそう,大事なことは,この製品をはじまりとしてデジタル・デバイスに手を出すアップルの,次,には,ニュートン・ネクスト(PDA)が控えているということ…。(参考:Think Secretの記事




 
[2001.10.18]
  必要ないです,消えてください


 ▼ハンドスプリング、PDA・電話一体型機器を来年発売(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20011016301.html


 そんなサービスつまらないとみんな思っているし,使いづらくて不便だし,どうせ数ヶ月後には誰も必要としなくなるんだから,さっさとやめてくれませんか?

 ハンドスプリング社は,PDAと携帯電話を一体化した「トレオ」を発売する。電子メールとIMの送受信,ブラウザ機能が付いていて,もちろん電話もかけられる。同社ではこの製品によって製品ラインが劇的に変わるとしている。携帯電話,ポケベル,PDAを,どの機能も損なわずに一体化しているのだ。

 そういえばIBMが,WorkPadにPHSを内蔵していたのを売っていたよなとおぼえている(ASCII24の記事)。なんでビジネス向けばかりでコンシューマー向けに強く売り出さなかったのかわからないが,PDAについててしかるべきもので,欠けているのは通信機能(過去記事)。通信機能のないPDAなんてなんの意味もなくなる日は,案外すぐにやってくるかもしれない。

 そしてそのとき,使う必要のない携帯電話はお役ごめんとなる。ウェブとメールに常時アクセスできるのなら,だれがiモードなんて使うのか? だれがEZウェブなどみるのか? FOMAになどなんの魅力もない。ブラウザがあれば,他のコンテンツなど必要ない。そうだとしたら,そんなコンテンツを売り込んでいる携帯電話企業の底の浅さはきちんと見極めたほうがいい。iモードなんて,不便でつまらないものなど,要らない,とはっきりと云ったほうがいい。トレオがあれば,携帯電話なんて,捨てていい。(過去記事




 
[2001.10.16]
  追憶を,打ち捨てて


 ▼Xboxのオンラインサービス開始は来年夏──マイクロソフト(ZDNet Broadband)
  http://www.zdnet.co.jp/broadband/0110/12/xbox_m.html


 追憶のしがらみを捨てて,明日握っているコントローラーに沿うものを求めよう。

 Xボックスでは,インスタント・メッセンジャーに近い機能で,一緒にゲームをする仲間を探すことになる。そしてチャットにはボイスチャットを利用する。ブラウザやメールなどの機能を盛り込まないで,オンラインゲームに集中することになる。オンラインサービスの開始は,来年夏になりそうだ。

 大は小を兼ねると考えると(まぁ筐体もかなり兼ねてしまっているんだが),Xボックスの視点は正しい。モデムを捨ててブロードバンドを標準装備することは,ユーザーの切り捨て,と取る向きもあるが,ある意味ではとても意義深い。ドリームキャストが,標準装備したモデムの呪縛から逃れられず,ブロードバンド対応ゲームがほとんどなく,高速接続を活用するものを提供できなかった辛い想い出に彩られているとしたら,Xボックスは軽々とその追憶を超えて行く。

 そも例えば3年後に,ゲーム機を使っている姿を想像して,誰がモデムでダイヤルアップ接続をしているだろうか? 誰がゲーム機でメールチェックをしているだろうか? 今でさえ,私たちのネットワークの意識に付いてきているゲームハードはひとつもなくって,Xボックスだけがそれに忠実でいる。その思想に,すべてが流れていく。セガ社は,PSO,セガGTのXボックス投入を正式発表し,バーチャファイター4,アウトラン2の投入も決定事項のようだ。動いていく,流れていく,追憶を,打ち捨てて。




 
[2001.10.15]
  試練としての不安


 ▼米政府専用のネットワーク『ガブネット』構想は実現するか(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20011012303.html


 でも,この不安定な世界で,私たちが生きることを求められているのは,ある意味,神から与えられた試練であるかもしれない。

 新設されたサイバー空間安全保障担当のリチャード・クラーク氏は,政府が使用する安全性の高いネットワーク「ガブネット」に関して,コンピューター企業に協力を要請した。ガブネットはインターネットから分離し,ハッカーやテロリストの進入を防ぐ方針だ。

 絶対にハッキングされないコンピューターをつくるには,マシンをスタンドアローンにするしかない。繋がっているということは,誰にでも間口を開けることであり,侵入してくるものをセレクトするのは難しい。結局,開けるか,閉めるか,のどちらかを選択するしかない。利便性を考えたら,開け放って,あとの対処を考えることになるのだが,テロのトラウマを抱えた米国には,そんな余裕はないだろう。

 ワイヤードの無防備さは,誰もが気付いている。たったひとりの人間でも,巧妙にDos攻撃を仕掛ければ,世界中のトラフィックを混乱させることができるし,ニムダのようなウイルスで混迷に突き落とすことだって可能だ。それに乗せて,政治的なテロを企てる者が現れたっておかしくない。いや,そういう人間がまだ現れないのが,不思議なくらいだ。この,よくよく考えればとっても不安定な世界で,私たちは生きようとしている。そして,未来を感じている。そんな未来など,あるかどうかわからない,試練に耐えなければいけない想いを感じながら。




 
[2001.10.14]
  買うべき携帯などない


 ▼Nokia、一台五役のエンターテイメントフォン「Nokia 5510」発表(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/news/2001/10/12/50.html


 次に買うべき携帯電話なんて,日本にはない。

 ノキア社は,インターネット,FMラジオ,MP3プレイヤー,ゲームなどの機能を統合した携帯電話「ノキア5510」を発表した。ゲームのコントローラーのような形で,ディスプレイを中心に2分割されたQWERTY式キーボードが付いている。

 携帯電話のコンテンツ(メール以外)を,ほんとに面白がって使っている人などいるのだろうか,といつも疑問に思う。パソコンでウェブブラウザを使うといくらでもおもろいコンテンツはあるというのに,デバイスのインターフェイスが整っていなくて,コンテンツとしての成熟さをとんと感じられない(一言で云えば,つまらない)携帯電話コンテンツに,誰が興味を持っているのか。まぁiモードに関していえば,もともと発想力の乏しいデバイスであり,拡張性もなく,スパムのようなものを受信しても金を払わされる,世界でもまれにみる屑なデバイスなだけだが。

 日本の携帯電話メーカーは,どこも想像力なく似たり寄ったりのデバイスばかりつくっている。ノキア5510のような独自性を期待しても無理だろう。FOMAに規格が変わったって同じこと。すでにげんなりするような状況のようだが(ZDNetモバイルの記事),現在の小さく収めることしか考えていないデバイスに動画が配信されても全然うれしくないし,下手に動画なんてみたら1日半でバッテリーが切れるようなデバイスだ,呆れるね。ノキア5510や,サイビコ(過去記事)という想像力のあるデバイスがある社会の方が,よっぽど未来が明るい。




 
[2001.10.12]
  インターネットソフトの掟


 ▼マイクロソフトがMSNをリニューアル、ただしNetscapeでは閲覧不能に(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/Infostand/Item/2001-1009-J-4.html


 なんにしても,どうせ誰もMSNのコンテンツに期待してアクセスしているわけでなく,アクセスの99.9%はIEを入れてそのままスタートページになっている人_だけ_でしょうから〜。

 マイクロソフト社は,同社の情報サイト「MSN」のデザインを大幅にリニューアルした。それによりMSNのサイトはネットスケープのブラウザでは表示できないように変更されている。新しいデザインは世界各国のMSNに合わせたもの。アクセスするには,インターネット・エクスプローラーかMSNエクスプローラーが必要となる。

 間抜けだ…,いや,それ以上か…。別にIEやMSNブラウザが汎用性のあるものであれば,まぁ好きにしなと思えるが,実質これで,ウインドウズとIEのあるマック以外のユーザーはどうやってもアクセスできなくなる。感想を一言で云えば「間抜け」ですむのだが,大きくみるとこれは,MSが一部のユーザーを_締め出して_いるのではなく,MSが独りで薄暗く部屋に_引き篭もって_いるだけだ。

 現在のネットワークの基礎は,_すべての_プラットフォームをサポートし,誰がネットワークを活かすどのようなソフトウェアを開発するのも_自由だ_ということだ。それによってよいものが生まれ,全体に適用したほうがよくなった場合には標準として柔軟に取り入れていく。誰でもその簡単な掟は知っているし,それに従っている。まぁどっちにしても私はMSNのサイトを過去にみたことがないし,みる必要性も感じないので,ただのネクラな引き篭もり野郎は死ぬまで閉じこもっていてくださいという感じですが。




 
[2001.10.11]
  ヤフーへの信頼感?


 ▼Yahoo!JAPANがジオシティーズの規約を統合〜著作権問題に対する見解を表明〜(Impress INTERNET Watch)
  http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/article/2001/1010/geocity.htm


 スタンフォード大学のサーバー上にあったヤフーが,ネットワークオンリーで築いてきた,そしてそれをずっとみてきた,云いようのない信頼感(?)がある。でも,それに接していないユーザーにとっては,他のポータルサイト(たとえばMSNとかね;-P)と違いはないのかもしれない。

 ヤフー社は,同社が運営している無料ウェブスペース・サービス「ジオシティーズ」の規約などを統合し,それによって発生した著作権に関する解釈について,公式見解を述べた。ユーザーの間で規約の解釈によって「ジオシティーズ内のコンテンツの著作権がヤフーに帰属する」とみることができる点にQ&Aの形で答え,コンテンツの著作権は製作者にあることを明言した。

 米国ヤフーで2年以上も前に問題になり(過去記事),猛反発を受けて撤回までしたような内容を日本でまた似たように持ち出すこと自体,お粗末だが,そもそもヤフー・ジャパン独自の規約をつくれるわけもなく,端から解釈の違いでしかなかった気もする。とは云っても,ヤフーのQ&Aは,ユーザーの反発を明らかに「受けた」形で書かれており,週末に盛り上がった反発話に3営業日で収めるべく動いたという感じだろうか。

 私の個人的な感想では,なんとなく,ネットでしか生きられない(これまでずっと生きてきた)ヤフーの名前でもって,ユーザーの意識を侵害するような著作物の販売をするとは思えなかったが,ユーザーの反発は思っていた以上に大きいものだった。実際にすでに移転しているサイトも多いようだし。これはどぉ云うことだろう? もう,デビッド・ファイロとジェリー・ヤンの面影を残す「ヤフー」という名前に持っている,ネチズンの信頼というのは小さいものになっているということか? そんな,自分の中の意識との相違を,ちょっとだけ感じた出来事だった。




 
[2001.10.10]
  ニューヨーク,ニューヨーク


 ▼Windows XPは業界とニューヨーク市を立ち直らせることができるか(ZDNet News)
  http://www.zdnet.co.jp/news/0110/03/e_dickinson.html


 MSのニューヨークでのイベントは素晴らしい。好感が持てる。本当にビル・ゲイツに感謝すべき出来事だ。まぁ,裏でなに考えているかは別として;-P。

 マイクロソフト社は25日に,ニューヨークでウインドウズXPのイベントを開く。ニューヨークが大惨事から立ち直ることを支援した出来事として,記憶にも残るし,マイクロソフトは誇りにしていい。だが,ウインドウズXPはコンシューマーにとって安定性やセキュリティなどが魅力となるが,企業IT管理者には魅力が薄い。もちろん,同社のソフトがXP以外で動かなくなるときがきたら,移行するしかないのだが。

 米国の自由と勇気の象徴でもあるNFLも,米国同時テロによる1週の休みの後に再開された。その週は各スタジアムで,試合前に復旧作業に携わる人たちを英雄としてセレモニーを行い,被害に遭った人に祈りを捧げた。すべての選手のヘルメットには米国国旗が標され,観客全員に国旗が配られた。記憶に残ったのは,いつもエキサイティングなオークランド・レイダースのヘッドコーチのジョン・グルーデンがセレモニーでみせた涙と,地元ニューヨークを鼓舞するかのようなニューヨーク・ジャイアンツの勝利だった。ジャイアンツのヘッドコーチ,ジム・ファッセルは敬意をこめてニューヨーク市警の帽子をかぶってサイドラインに立ち,「ニューヨークの誇りのために勝ちたい」と述べていた。

 今軍事攻撃に発展している同時テロは,ネットワーク上での大きなレスポンスを生んだ(過去記事)。ウェブでの反応を集めたアーカイブもつくられるという(WIRED NEWSの記事)。ウェブの動きは,人々の気持ちの動きを即座に反映する。最近のジオシティーズの著作権に関する規約改正への反発も,あまりにも早い。そして企業にとっては,重い。総体としての気持ちが,ウェブブラウザを鏡として映して見える。その気持ちで,世界全体がリズミックに動いていく。リアルのニューヨークが傷を癒しているうちに,ネットワークのニューヨークも動き続ける。この流動性,思惟性を感じる動きは,今後も大きくなっていくだろう。(参考:ZDNetエンタープライズの記事




 
[2001.10.08]
  メタファライズの梦


 ▼テレポーテーションの実用化に向けた実験に成功(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20011001302.html


 「どうして早く,こっちに来ないの?」。手を伸ばした量子の先の,君がささやく。

 デンマークの科学者が,テレポーテーションの困難な部分を実現した。ある場所から別の場所に,電子粒子の情報を移動させれば,本質的に同じものになる。情報さえ送れば,粒子そのものは必要ない。オルフス大学の科学者たちは,セシウムガスに光ビームを照射することで量子「スピン」の情報を持たせ,これによって移動空間の間で量子相関(エンタングルメント)が可能とした。理論上はテレポーテーション実現に一歩近づいた。

 最後の部分にちょっとだけ出ているが,プロセッサーが膨大な(いや,膨大なだけではすまない)情報を瞬時に処理する量子コンピューターでは,すべての情報を量子形式にして処理する。すべての物質は量子となり,人間とて同様。今,世界の果てに行くのは「0」と「1」に変換された文字・音楽・動画だけだが,その時,肉体も肉声も,すべて量子として世界の果ての絶壁までたどり着く。

 フルレンジ,フルモーションで,メタファライズされた肉体はネットワークをたゆたう。そも,量子の行き交うプロトコルの中で,わずかに開いたクラック・ホールから,人は接触を求める。そこはコミュニケーションのための世界ではなく,リアルな触れ合いの世界になる。リアルよりもリアルな,指先,吐息。覚める梦(ゆめ)に向こうに,君にみつける。




 
[2001.10.07]
  言葉を狩るものの欠陥


 ▼「欠陥技術」は図書館で使わない(CNET Japan)
  http://japan.cnet.com/News/2001/Item/011003-6.html


 言葉を狩るのは,狩るべき言葉しか持たない人間だ。

 サンフランシスコ市は,公共図書館などに設置されているコンピューターでのインターネットフィルター使用禁止を決めた。この決定をした市の委員会は「フィルターは欠陥技術で,図書館と両親が責任を持ってインターネットの使い方を子どもに教える方が大切,それがいちばんのフィルターだ」と述べている。

 そうか,「第30回スーパーボウル(Super Bowl XXX)」もダメなのか…。というか30回以上50回未満には全部「XXX」が入るわけで,今年は36回目なので,あと14年ほどはスーパーボールの最新情報にありつけない。つーかその時には今の子どもも大人になってしまってるわけですが。

 言葉を止めても世界は変わらない。地球上のすべての人間に猿ぐつわをしたって,さっぱり世の中がよくならないのは誰だってわかるだろう。できたときに話題になっていたが,キッズgooの検索みたいな欠陥欠陥欠陥欠陥欠陥欠陥欠陥欠陥欠陥欠陥欠陥商品が表に出ていることだけで笑える。子どもを教育しているつもりらしいがおまえが教育されたほうがいいな,とみんなに思われているわけで,試しに失礼で酷いめちゃめちゃなサイト(©西和彦)である2chなんか表示されないだろうなと思い気や,「変態」とか「うんこ」とか「オマエモナー」とか「クレクレ厨房」とか「妹の部屋で何か自作の下手なエロ漫画が見つかったんですが」とか書かれてるモナー大好き板は表示されたりしたんですが,これはモナーはかわいいから許すとかそういう教育的配慮ですか?(2chモナー大好き板・キッズgoo優良フィルター付き←ってそのときの書き込みによっては表示されないかもしれないですが)




 
[2001.10.06]
  10.1のTipsいくつか


 ▼Mac OS X 10.1の全貌(MYCOM PC WEB)
  http://pcweb.mycom.co.jp/special/2001/macosx101/


 マックOS Xにはヘルプに載っていないTipsが多そうだ。アクアでのTipsを,いくつか。

 マックOS X 10.1がリリースされた。ファインダーやドックも大きく改善され,DVDプレイヤーも追加された。アプリケーションの起動時間,JAVAの動作,クラシックの動作もスピードアップした。ファイル共有のNFSがまだ使いずらかったり,ネットインフォのアクセスの難解さ,パスの記述が2通りある点などは改善が必要だ。

 クラシックを利用することはあるのだが,OS 9で起動し直すことはほとんどなくなったOS X。もちろん,完成度としては足りないところもあるのだが,日常的に使うには十分な能力となった。まぁ一般的な使用感想はあちこちにあるので,ここは私が利用して気づいたTips,一覧(●はたぶん10.1からの機能,◎は10.0からあったもの)。

 ●ドック内のアイコンを[コマンド]+クリックすると,ファインダーでオリジナルが表示される。◎ブラウザで「プリント...」を選び「プレビュー」ボタンを押すと,ウェブページがPDF表示される。そのままPDFとして保存可能(pic)。●「このMacについて」の「Version 10.1」の部分をクリックすると,ビルド番号が表示される(pic)。◎フォントパネルは,ウインドウのサイズを変えることで,セレクトメニュー(pic)とプルダウンメニュー(pic)に変化する。◎[シフト]キーを押しながら最小化すると,スローモーションでドックに吸い込まれる。最大化のときもスローモーションになる。●[コマンド]+[シフト]+[3]で,OS9同様にスクリーンキャプチャーがとれる。Snapz Pro起動時はSnapz Proの方が優先される。◎システム環境設定のウインドウのツールバーもカスタマイズできる。ドラッグ&ドロップでツールバーに追加,削除ができる(pic)。●ドックの仕切り線の部分をクリックしなままマウスを動かすことで,ドックのサイズが変更できる。●ターミナルの起動時に「Welcame to Darwin!」の表記が(pic)。●「システム環境設定」の「キーボード」で「フルキーボードアクセス」を有効にし(pic),「ユニバーサルアクセス」で「テンキーをマウス代わりに使用」を有効にすると(pic),マウスをいっさい使わずにすべての操作ができるようになる(ただし,テンキーの従来の使用はできなくなる)。◎divx for Xの「ffmpeg.component」というファイルを「/Library/QuickTime/」に入れることで,QuickTime Playerで一部のDivXムービーが観られるようになる。QuickTime Proなら他形式に変換も可能。他のコーデックもここに追加していくことになる。




 
[2001.10.05]
  地図はいらない


 ▼サイバースペース地図を集大成した豪華本誕生(WIRED NEWS)
  http://www.hotwired.co.jp/news/news/culture/story/20011003206.html


 地図のいらない世界だけど,私たちは次の一歩がたどり着く先を知っている。いざ,その一歩を。

 インターネットの海に漕ぎ出す人なら誰でも,大航海時代に黄金の国エルドラドを求めたスペイン人のように,海図のない航海を余儀なくされている。英国人の学者が「サイバースペース地図」(画像)を完成させた。だが,この地図は技術的な見地では正しいものではなく,芸術的な美を楽しむものとなっている。この本の結論は,サイバースペースには絶対的な地図はないということだ。

 南アメリカの奥深くにあると云われた黄金郷,エルドラド。黄金や宝石があふれてという,伝説の街。インカ帝国のジャングルの中にあるとか,アンデスの山中から見晴らす山あいにあるとか,わずかな言い伝えや体験談だけが残るが,なにも確たるものがない。しかも,当時まったくの未開の地であった南米だ。多くの探検家が挑んでいって,そして,誰も発見できず,戻って来ないものも多かった。冒険家たちは,地図なんてない地であてもなくさまよい歩き,ただ,その地があることだけを信じて,進んだ。

 エルドラドを信じることに,地図は必要なかった。サイバースペース地図も,同じ。私たちが日常触れている地図でさえ,利便性を求めて簡略化したスケッチ・ラフのようなものだ。記事中に出てくる英国の地下鉄路線図は,日本の営団地下鉄の路線地図が参考にしたもの。路線を理解するために徹底的に省略し,もっとも目に付く着色をしているものだ。ウェブの地図をIBMリサーチの研究員がつくったニュースもあったが(過去記事),昨日と今日では違う道が幾億とできて,北に辿る道と南に辿る道が交差しながら同じ道先を示している,ワイヤード。私たちは胸に手を当てて,道先を知る。そこに,地図はいらない。(情報tnx >ofuroheadさん)




 
[2001.10.04]
  足りないラストピース


 ▼Off the Cuff:2年遅かったパームのm125(ZDNetエンタープライズ)
  http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0109/28/01092887.html


 パームCEOのカール・ヤンコフスキーは,ビジネス向けにすることで成功を企てているが,さっぱりいまいちパズルは整わない。…「ネットワークにつなげてできることを,なんでも強化する」。それがパームを売るラストピースだ。

 パーム社の「m125」は拡張スロットやアドオンポートなどが付いて素晴らしいデバイスだが。2年遅かった。バイザーではスプリングボードスロットなどがあったし,TRGプロはCFカードが使えていた。パームOSはシンプルさを大事にしてきたが,重要な機能強化で遅れている部分がある。新たに加わったビー社のエンジニアをフル回転して,機能強化をしてもらいたい。

 パームの歩みは遅かった。その,ある意味では怠慢によって,PDAは大きな不況の渦に巻き込まれている。コンパックのiPAQ(ヒューレット・パッカードとの合併後も,この製品はその名前のまま残りそうだ)は,かなりの高性能高機能を全面に打ち出し,ただの電子手帳でしかないパームを打ち砕いた。必要なのは,懐の深さ,パズルピースの多さ。同じ不況に巻き込まれているが,まだスプリングボードを持っているバイザーの方が面白い。CNET Japanの記事には,バイザーをマッサージ機にするというモジュールも出たそうで(^_^;)。誰もPDAにマッサージしてもらいたいと思ってすますんぢゃなく,大切なのは,そんなこともできるという楽しさだ。

 そして,なによりもネットワーク。iPAQをポケットに入れ,AirH"の常時接続でいつでもメールチェック,ウェブで情報収集,またはストリーミングMP3ラジオをウォークマン代わりにして,ストリーミングライブ動画もチェックする。ネットワークに完全対応したPDAは,ウェアラブル・ネットワークの一歩手前として機能する。ファイナルピースは,ネットワーク,ネットワークなんだ,ヤンコフスキーよ。(refer> model f plusさん,Mobile-Diaryさん)




 
[2001.10.03]
  10.1に輝る至高


 ▼Mac OS X 10.1ファーストインプレッション(Mac Fan net)
  http://macfannet.mycom.co.jp/special/review/review010927.html


 2001年のOSとして,OS Xはかなり上等な位置にある。実際,コンシューマーにとってもプロフェッショナルにとっても,全体的にみてこれを越えるOSは他にない。至高さは,10.1の光でより輝いている。

 マックOS X 10.1では,多くの機能が追加されている。なかでもパフォーマンスの向上は素晴らしく,OS 9並みとは云わないが,それくらいまとなもスピードになった。その他の,アプリケーションからの呼び出しとなるドックでのハイジャンプや,「アプリケーション・スイッチャー」と同じになったショートカット切り替えなどは便利だ(笑)。

 素晴らしいヽ(´ー`)ノ。10.0に基本は全部あったものの,すべてが改善されている。今まではれ物に触るように使っていたのが,ぐっと身近になった感じを受ける。それによって,OS Xにあった多くの機能,性能を活用できるようになった。たとえば,プリエンティブ・マルチタスクも,個々のアプリケーションのレスポンスがよくなり,快適に作業できることで,アプリケーションの平行利用をする機会が増えて,その能力を確認できる。UNIXのターミナルのtopコマンドでシステム状況を確認しながら,ウインドウズエミュ上でファイルをアップロードしながら,クイックタイムで動画を再生するというのが,ストレス少なく実行できる。もちろんどれも止まることなく動作し続ける(pic)。

 ネットワークでも,パブリックベータからずっとIPを直打ちしてつなげるしかなかったアップルトークで繋がるマシンが,サーバーリストで簡単に接続できるようになったし(pic),話題のウェブDAVは,iDiskだけでなく,これからさまざまな有効活用するアプリケーションが登場してくるだろう。もともとの至高さが,10.1になって活かされるようになっている。もちろん文句がないわけぢゃなく,入力音声の再生出力がまだできなかったり,DVDハードウェアデコードモデルでのDVD再生ができなかったりとあれこれあるのだが,まぁそれは追々なんとかしてくれればよし。確かな歩みに,至高が輝る。




 
[2001.10.02]
  呪われている未来


 ▼「呪われた」デジタル著作権に関するマイクロソフトの基調講演(ZDNetエンタープライズ)
  http://www.zdnet.co.jp/enterprise/0109/28/01092804.html


 バディオス,バディアルマ,行く末の散る薔薇の難儀,堕ちゆける背に静寂の恨み,バディオス,バディアルマ。

 シーボルド会議でのマイクロソフト社の基調講演は呪われていた。デモの最中に電子ブック用のソフト「リーダー」とメディアプレイヤーは,ともにクラッシュを続けた。聴衆からの質疑応答で,2週間前にデビューした新しいリーダー 2.0がすでにクラックされているような発言もあったが,すでにその時会場には聴衆がほとんどいなかった。

 なんともとほほな基調講演は,MSのもっともまずい姿勢の行き先を示している。別にアップルやジョブズが(^_^;)呪っているわけではなく,その姿勢をネットワークは許していないだけだ。すでにリーダー2.0のファイルを無限にコピーできるパッチが出回り,ファイル共有ソフトで検索をかけるとあれこれと電子ブックが引っ掛かる。DRM5暗号は,すでに過去のものだ。

 情報はフリーだあるべきであり,音楽も書籍も情報でしかない。そして基本的にシェアされるのを止めるべき手だてというのは存在しない。また,情報は平等にシェアされるべきものだ。特定のOSに拠ることは許されない。音楽を聴いてもらうのに,特定のOS上での再生しかサポートしないフォーマットを採用するような者たちは愚かでしかない(過去記事)。呪われていたのは基調講演だったわけではなく,愚かな者たちが進むこれからの未来,だ。




 
[2001.10.01]
  10.1アップデートCD配布雑感


 ▼Mac OS X v10.1アップデートキット無料配布,駆け回りレポート(MacWIRE ONLINE)
  http://www.zdnet.co.jp/macwire/0109/29/n_akiba2.html


 10.1の性能については各サイトの評判通りに素晴らしいものなので,ここではアップデートCD配布についての雑感。

 マックOS X 10.1アップデートキットの無料配布の日。秋葉原では9時から整理券の配付をしている大型店が多く,ラオックスでは,9時すぐに配付終了。入荷数が限られ,店舗によって配付数に違いがあり,混乱もみせた。

 マックOSのお祭りっぽい店頭販売(カウントダウン販売など)というと,アップルストアでの販売が始まる前のOS8.5以来となり,なんとなく私も戸惑いがあった。アップデートCDの無料配付は数量限定とのことで,いったいどれだけの数があるのか詳細がわからず(秋葉原のソフマップだけが500枚とアナウンスしていた),最初は夕方にでも行けばいいかなと思ったが,整理券を配付する店もあり,それに合わせて行くことにした。アップルのサイトに代表っぽく名前が書かれてリンクされていたラオックスは,記事にあるように整理券配付の情報が行き渡っていたのだろうが,同じく9時から整理券を配付していたT-Zoneの店の前は閑散としていた(ウェブには整理券配付の情報が記載されていたが)。私が着いたのは9時ちょっと後ぐらいだったが,整理券はまだまだいっぱい余っていたようで。だが,結局午後3時くらいに取りに行くと,もう配付受け付けは終わっていて,アップデートCDを探しに来た人がレジで店員と話していた。たぶん開店時間にはなくなっていたのだろう。pierre designの記事では米国でも同様の混乱があったようで。

 なんにしても,アップデートCDの店頭配付数が十分でない不備は目立ち,どうせ無料で配付するのであれば,アップルストアで10.0を購入したユーザーには無条件で郵送するとか(それによって店頭配付分には余裕ができただろうし),iDiskを利用したディスクイメージの配付など(帯域に制限がかかるが,それで構わないユーザーだっているはずだ),なにか考えられなかったのかとちょっと不満もある。中途半端に無料配布するくらいなら,全部実費払いの郵送受け付けにした方が感じよかった気がする。10.1の性能が素晴らしいものなだけに,その点が残念だった。新しい忠実な顧客づくりとしては(OS Xが搭載されたiMacを購入し,アップデートCDが欲しかったユーザーもいたはずだ),この方法は失敗が大きかった。




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